フクロウのクレイジーサイコセゲレイティッドウィットナス

イカれたサイコでサイコーなクリプトカレンシーWEBメディア

クレイジーでサイコなクリプトカレンシーWEBメディア「クレイジーサイコクリプト」

てs

「黒マと電マって似てるよね(笑)」

 

 黒マチャートを見たキミの最初の言葉。電マが好きな子だった。でも研究室でいきなりそんなことを言うもんだから、慌てて周りをごまかしたっけな。よく覚えてる。まあ大学でFXやってる僕が悪いんだけど。

───そう、いつだって悪いのは僕だった。初めてのデートに選んだ日が雨だった時も、同棲してた部屋に無断で女友達を連れてきた時も。そして僕たちが別れることになったあの日も。

 

 あの日。いつものように研究室でビットフライヤーを開いていた。ヒューンヒューンwwwwデ↑レ↓ーwwwwwwwwたぶんみんなは僕がゲームかなにかをやってると思っていたんだと思う。赤坂は──僕の対面に座っている男だ──マックポテトが揚がる音が流れると毎回反応してくるんだけど、正直うっとおしい。この男が反応したタイミングでいつも損切りさせられるし。まあそうしないと好転しないから別にいいんだけど。フライヤーの遅延と赤坂の面白くもない効果音のモノマネにイライラし始めた僕は、家に帰ることにした。当時は・・・キミも同じ研究室だったけど、この日は先に帰ってご飯を作ってくれていた。

 

* * *

 

「おかえり」

 

 帰宅してキミとの会話もそこそこに、こたつに入った。キミはキッチンで何か作っていたから、僕は隅っこでPCを開いた。邪魔にならないように。今思えばこれも言い訳だ。いつもFXのことを考えていた。起きている時間の7割はチャートを眺めていた。だからその時もフライヤーと黒マチャートを見るために、PCを開いた。でもあんまりFXばかりやっていたらキミが怒るから、静かに開く。習慣クセになってんだ、物音殺して開くの。

 

 ちょうど上か下かに振れる場面だったから、ちょっと集中して画面を見ていた。だから、キミが僕を呼んでいるのにも気がつかなかった。バカだなあ僕は。FXなんて、一人でいる時にだってできるのに。

 

「黒マちゃんて誰?」

 

 

 

「今日は、電マじゃないんだね」

 

テレレwwwテレレwwww

 

この男がモノマネをするタイミングでいつも損切りさせられる。

 

「はは…切られたのは僕の方じゃないか……」

 

意味不明に呟いてみたけど、何も変わらなかった。変わらないといけなかった。そうしないと状況は好転しないと思った。僕は研究室を辞めた。